【 IRF公認ルール 】

(2022年8月10日 更新)

概要

第 1 章:道具とコート

第 2 章:プレーヤー

第 3 章:プレー形式

第 4 章:サーブ

第 5 章:ボールのプレー

第 6 章:ヒンダー

第 7 章:参加者の行動

第 8 章:コールの発生と不一致の解決

第 9 章:オブザーバーとその責任

概要

ラウンドネットは、2人のプレーヤーからなる2つのチームによって行われるチームスポーツである。それぞれのチームはネットを中心に向かい合わせに並ぶ。サーバーが相手プレーヤーに向かってネットへボールを打ったときからポイントが始まる。サービス後、コートの概念は存在しない。(ネットの周り全てがコート)

ゲームの目的は、相手チームがうまく返せないように、ネットへボールを打つことである。

ネットへボールを返すために、チームは最大3タッチまで可能である。ボールがネットへ返されると、ボールの所有権は相手チームに移る。ラリーは、いずれかのチームがネットへボールを返すことができなくなるまで続く。

プレーヤーはポイント中、相手のプレーを物理的に妨げない限り、好きなように動くことができる。

第1章:道具とコート

【1.1. 道具に関して】

1.1.1. 規定道具 - 公式大会では、IRFが承認したセットとボールを使用しなければならない。

1.1.2. セットの内容とサイズ - 承認されたセットは、5つのリム、5つのレッグ、およびネットで構成される。セットの直径は91.4cm、高さは20.3cmである。

1.1.3. ネットの張力 - ネットの張力は全体的に一定でなければならない。高さ1.5mから落としたボールが、ネットから50cmの位置で跳ね返ること。計測はボールの底から計算される。

1.1.4. ボールの膨らみ - ボールのPSIは0.3~0.5であり、円周が約30cm(12インチ)であること。

【1.2. コートに関して】

1.2.1. コートの構成要素 - ラウンドネットのコートは、セット・サービスライン・ノーヒットゾーンライン・プレースペースで構成される。

1.2.2. コートのセットアップ - 各コートは最低10m×10m(33×33フィート)を推奨する。ただし、コートの限界はない。

1.2.3. サービスライン - ルール上、サービスラインの円は、ネットの中心から2.6メートル(8.5フィート)である。セットの端からサービスラインまでの距離は、2.13メートルとなる。4つのサービススタートポジションにそれぞれマークを描く。屋内や線を引くことができない場合は、セットの周囲に等間隔でテープを貼り、円の輪郭を描くこともできる。

1.2.4. ノーヒットゾーンライン - ルール上、ノーヒットゾーンラインの円は、ネットの中心から90cm(3フィート)である。可能な場合は、セットの中心から90cm(3フィート)のところに線を引く。屋内や線を引くことができない場合は、セットの周囲に等間隔でテープを貼り、円の輪郭を描くこともできる。ゲームプレイに支障をきたさない限り、ノーヒットゾーンに追加のマーキング(例えば、芝マット等)を使用することができる。

第2章:プレーヤー

【2.1. チーム構成 - 1チームは2名のプレーヤーで構成される。】

【2.2. 選手の装備/服装】

2.2.1. プレーヤーは、自己の責任において、スパイク・スニーカーを着用するか、または裸足でプレーすることができる。金属製の野球用スパイク、陸上用スパイク、

鋭利なスタッドや磨耗または破損したスタッドなど、危険な部分のあるスパイクの使用は禁止する。

2.2.2. プレーヤーは、自己の責任において眼鏡を着用することができる。

2.2.3. プレーヤーは、他のプレーヤーの安全を脅かしたり、不当な利益を得たりしない限り、柔らかい衣服を着用することができる。(引っかかる等の危険性)

2.2.4. 圧縮パッド(例:膝当て)は、保護またはサポートのために着用することができる。

2.2.5. プレーヤーは、ボールまたは他のプレーヤーの動きを不当に妨げたり、 助けとなるような衣服や道具を使用してはならない。例えば、プレーヤーが帽子をかぶることは許されるが、その帽子をボールに投げつけてはならない。

2.2.6. 大会ディレクターは、これらの規則に従わないプレーヤーの衣類や道具の着用を拒否する権利を有する。

【2.3. IRFは、チーム名、チームロゴ、ジャージのデザイン、またはユニフォームが、特定のイベントや組織に不適切とみなした場合、それを変更する権利を有する。】

第3章:プレー形式

【3.1. ポイントの獲得方法 - ラウンドネットはラリー方式で行われ、ポイントはサーブ側もしくはレシーブ側が獲得することができる。次の場合にチームはポイントを獲得する。】

3.1.1. 相手チームがボールをネットへ戻すことに失敗した場合。

3.1.2. 相手チームが失点となる反則を犯した場合。

3.1.3. 相手チームのサーバーが2回連続してフォルトした場合。

【3.2. リプレイ - ポイントは次の場合にリプレイされる。】

3.2.1. ヒットの合法性について両チームの意見が一致しない場合。

3.2.2. 反則について意見が一致しない場合。

3.2.3. 特定の妨害等が発生した場合。(詳細は6章を参照)

3.2.4. 外部からの妨害等が発生した場合。(例:試合外のプレーヤーやボール、または他の物体が試合の妨害となった時。)

3.2.5. 正しいサーブが打たれた後にポイントがリプレイされた場合、ゲームは同じスコア、プレーヤーの位置、サーブ順で再開される。サーバーは自分のファーストサーブから開始する。もしサーブの合法性について両チームの意見が一致せず、ポイントがリプレイされた場合、ゲームは同じスコア、プレーヤーの位置、サーブ順、フォルトカウントでゲームを再開する。

【3.3. ラリー - ラリーとは、サーブが打たれた瞬間からボールがアウトになるまでの一連のプレー行為のことである。】

3.3.1. サーブチームがラリーに勝った場合、1点獲得し、サーブを続ける。

3.3.2. レシーブチームがラリーに勝った場合、1点獲得し、サーブ権利が移る。

【3.4. ゲームの勝利条件 - ゲームは、指定された点数(通常15点または21点)に最初に到達したチームの勝利となる。】

3.4.1. ゲームは、特に指定がない限り2点差で勝たなければならない。14-14または20-20の引き分けの場合、2点差となるまでプレーは続く。(17-15または27-25)

3.4.2. ハードキャップ - 大会ディレクターの裁量により、特定のゲームにハードキャップが与えられる。例えば、ハードキャップが25のゲームでは、24対24の場合、次のポイントで勝負が決まる。ハードキャップは試合開始前に決めなければならない。

【3.5. 試合の勝利条件 - 試合は、どちらかのチームが指定されたゲーム数(通常2ゲーム)に勝つと勝利となる。

【3.6. 没収試合 - 試合に現れない、プレーができない、もしくはプレーを拒否したチームには、そのチームに対して大会ディレクターの裁量で没収試合とされる。】

【3.7. サーブ/レシーブの決定】

3.7.1. 1ゲームマッチ - コインフリップまたはジャンケンの勝者がサーブ/レシーブまたはスタートポジションを選択することができる。

3.7.2. 2ゲームマッチ - トーナメント方式の場合、シード順位の高いチームが第1ゲームのサーブ/レシーブ、スタートポジションの選択、もしくは選択権の放棄をすることができる。上位シードが選択権を放棄した場合、下位シードが第1ゲームでサーブ/レシーブまたはスターティングポジションを選択することができる。第1ゲームと第2ゲームではサーブ/レシーブ、スタート位置の選択権が入れ替わる。

3.7.3. 3ゲームマッチ - 3ゲーム目に突入した場合、コインフリップまたはジャンケンの勝利チームがサーブ/レシーブまたはスタートポジションを選択することができる。

【3.8. ポジション】

3.8.1. 4人のプレーヤーは、セットを囲むように90度ごとに離れた4つのポジションでセットアップする。チームメイトは隣同士に位置する。すべてのプレーヤーは、すべての接点がサービスラインの後方にある状態でスタートしなければならない。(例外は3.8.4を参照)

3.8.2. 決められたポジションは、試合の間、使用される。通常、フィールドの方向に対して平行、垂直に配置される。ポジションは可能であればラインマーキングで示す。

3.8.3. 試合開始時、サーブチームが最初にポジションを決める。チーム内の右側に位置するプレーヤーからサービスを開始する。サーブチームがポジションを決めたら、レシーブチームはプレーヤーのポジションを決める。

3.8.4. レシーバーとは、サーバーの180度反対側に位置するプレーヤーをいう。

サーバーがセットされたら、レシーバーは距離の制限なく自由に移動できる。

3.8.5. 指定されたレシーバーだけがサーブをレシーブすることができる。

3.8.6. 他の2人のプレーヤーは、サーバーがボールを打った後のみ、その位置から動くことができる。

3.8.7. サーブチームがポイントを獲得した場合、サーバーはペアとポジションを入れ替え、相手チームのもう一人のプレーヤーにサーブする。

3.8.8. 5ポイント毎に反時計回りに1ポジションずつ交代する。(天候等による影響を均等化するため)

3.8.9. ノンレシーブまたはノンサーブのプレーヤーが、サーバーによってボールが打たれる前に一歩でも動いてしまうとそのチームの失点となる。ノンレシーブおよびノンサーブのプレーヤー両名がサーバーによってボールが打たれる前に動いた場合、先に動いたチームの失点となる。もし全く同じタイミングで動いた場合、ポイントはリプレイされる。

【3.9. タイムアウト】

3.9.1. 60秒タイムアウト - 各チームは1ゲームに1回60秒のタイムアウトを取ることができる。ポイント中は、タイムアウトのコールをしてはならない。1stサーブと2ndサーブの間にタイムアウトを取ることはできない。チームはコートエリアから離れることはできず、試合前に軽食や道具等をコート付近に置いておく必要がある。

3.9.2. 負傷によるタイムアウト - 1試合に1回、負傷したプレーヤーには最大5分間の回復時間が与えられる。このタイムアウトは、負傷が発生したときにいつでも取ることができる。(3.13.1を参照)

【3.10. ポイント間の時間 - ゲーム中のポイントは休憩なしで連続して行わなければならない。ラリー終了後、ボールは早急に回収されなければならない。ボールが回収され、サーバーに渡り次第、ポジションを決め、スコアをコールし、サーブを打たなければならない。スコアをコールして最大2秒までの間を置いた後(4.5.1を参照)、サーバーは5秒以内にボールを打たなければならない。これらの行為を遅らせることは、遅延行為の警告対象となる。遅延行為の警告を受けた後、さらに反則した場合はフォルトとなる。】

【3.11. ゲームとゲームの間の時間 - プレーヤーには、ゲームとゲームの間に3分の休憩時間が与えられる。その間、各プレーヤーは自分のコートの近くに留まっていたほうがよい。休憩後、ゲーム開始の準備ができない場合は、3分後に遅延行為の警告を受けることになる。

警告後、1分以内にプレーヤーがセットされない場合は、相手チームに1ポイントが与えられる。チームが1分遅れるごとに、1点が加算される。

【3.12. 道具の交換と調整 - ネットまたはボールがプレーに適さなくなった場合、代わりのものを見つけるまでゲームを一時中断する。交換後、ゲームはそれまでと同じ、スコア、プレーヤー位置、サーブの順番と状況(例えば、1stサーブと2ndサーブ、タイムアウトの残り回数、ペナルティ/警告)でゲームを再開する。元の状態から変化が発生した場合(ネットの位置がずれる、レッグピースの回転やネットがフックから外れる等)、各プレーヤーが次のポイントのセットに入る前に、直ちに元の状態に戻す。ポイント中、プレーヤーは道具の自然な動きに沿ってプレーしなければならない。ただし、プレー不可能な状態(ネットが折れる、ボールが弾ける等)になった場合は、そのポイントを中断しリプレイをする。

【3.13. 例外的な中断】

3.13.1. 負傷 - 負傷の場合、試合は中断される。プレーヤーがケアを受け始めてから5分間の回復時間が与えられる。プレーヤーが5分以内にプレーに戻ることができない場合、そのチームは試合を棄権しなければならない。プレーヤーがプレーに戻り、再び負傷した場合、1分以内にプレーに戻らなければ棄権となる。さらにその後試合中に15秒以上の負傷によるポイント間での中断があった場合、そのチームは棄権となる。

3.13.2. 外部からの妨害 - 外部からの妨害により試合の進行が妨げられた場合、その試合は一時中断となる。ゲームを再開する際は、同じスコア、プレーヤーの位置、サーブの順番と状況(例:1stサーブと2ndサーブ、タイムアウトの残り回数)で再開する。

第4章:サーブ

【4.1. ゲームの最初のサーブ - コインフリップまたはジャンケンの勝者がサーブ/レシーブまたはスタートポジションを選択することができる。トーナメント方式の場合、上位シードがサーブ/レシーブまたはスタートポジション、もしくは選択の放棄ができる。(3.7を参照)】

【4.2. サーブ順】

4.2.1. 最初のサーブチームが、自チームのどちらのプレーヤーをサーバーとして開始するかを決定する。サーバーは、ペア内で右側のポジションのプレーヤーからスタートする。そのプレーヤーは、レシーブチームがポイントを獲得するまでサーブを続ける。

4.2.2. レシーブチームがポイントを獲得すると、サーブ権を獲得し、左側のプレーヤーからサーブを開始する。それ以降は、サーブ権が変わる度にチームメイトの間で交互にサービスを行う。この4人のサーブ順は、ゲームが続く限り続く。

4.2.2.1. スタートポジションは、すべてのプレーヤーが正しい位置にいること、およびスコアが正確であることを確認するためである。チームのスコアが偶数の場合、サーバーはペアの右側の人になる。チームのスコアが奇数の場合、サーバーはペアの左側の人になる。ゲーム開始時は、サーブチームのスコアは必ず0なので、サーバーは右側の人である。相手チームが得点すると、サーブ権が切り替わる。相手チームの得点は1点となり、左側の人からサーブが開始される。

4.2.3. 新しいゲームでの順番 - 4.2.1と4.2.2で述べたプロセスは各ゲームで発生する為、複数のゲームで固定する必要はない。

【4.3. サーブポジション - サーブチームがポイントを獲得した場合、サーバーはペアとポジションを入れ替え、相手チームのもう一人のプレーヤーにサーブする。

【4.4 サーブのルール】

4.4.1. サーブの前に、サーバーは、すべての接点が7フィートのサービスラインの後方になるように位置を定めなければならない。

4.4.2. サービスポジションをセットした後、サーブのすべての動作中(スイング、フォロースルー、および動作の勢いを含む)、すべての接点はサービスラインの後方に留まっていなければならない。

4.4.3. 少なくとも片足は、ボールがネットに当たるまで、地面と1点接触していなければならない。

4.4.4. サーバーは、どの方向へも1歩踏み出すことができる。この動作によってピボット足が確立される。ピボットではない足が地面についたら、その足も1点接触を維持しなければならない。

4.4.5. ボールは打つ前に、リリースポイントから少なくとも10cm離さなければならない。(注:この規則は、レシーブ側のチームが、ボールがリリースされたことを確認し、反則なく打たれたことが分かるようにする為である。どちらも問題ない場合、そのトスは規則の意図に沿ったものとされる。)

4.4.6. サーブの動作において、ボールを捕球してはならない。

4.4.6.1. ボールが身体のどの部分であっても静止(停止)した場合には捕球とみなす。

4.4.7. サーブはどれだけの力で打ってもよく、短いサーブも許される。(ドロップサーブ)

4.4.8. サーブは、アスレチックスタンスのとき、レシーバーの肩より高い位置に出してはならない。(4.5.1.2と4.6.8を参照)サーブを打つ角度に制限はない。

【4.5 サービスの実行】

4.5.1. サーバーは、足を正しい位置の中心に置かなければならない。(3.8.2を参照)

そして、サーブの動作を開始する前に、サーバーはレシーバーにスコアをコールする。サーブチーム、レシーブチームの順でコールし、レシーバーが準備でき、スコアに同意したことを確認するため、間を置く(最大2秒)。レシーバーは、サーバーがセットアップした後、その位置から移動することができる。

4.5.1.1. サーブ動作は、スコアをコールした後の最初の動作から始まる。

4.5.1.2. サーバーがスコアをコールしなかったり、間違ったスコアをコールしたり、サーブの動作中にスコアをコールした場合、レシーブチームは2回目のタッチの前にリプレイを要求することができる。(注:この規則は、相手チームが準備できているかどうかを確認し、ポイントが始まる前にスコアの不一致を解決する為である。)

4.5.1.3. レシーバーのアスレチックスタンスはサーブゾーンを確立する。アスレチックスタンスとは、膝を少し曲げ、足を肩幅より少し広く開き、胸を足の上に置くことである。

4.5.2. サーバーがサービスフォルト(4.6を参照)をした場合、サーブチームはもう一度サーブを打つことができる。

4.5.2.1. サーバーがサービスフォルトをした場合、レシーブチームのどちらかのプレーヤーは、2回目のボールヒットが行われるか、ポゼッションの変更がある前、もしくはデッドボール後すぐに(3秒以内に)"フォルト "をコールすることができる。サーバーには2回目のサーブが割り当てられる。2回目の”フォルト”がコールされた場合、レシーブチームが点を獲得する。

4.5.2.1.1. フォルトが発生し、2回目のボールヒットもしくはポゼッションの変更が行われる前にレシーブチームの反則が発生した場合、フォルトが優先となる。

4.5.2.2. レシーブチームは、オブザーバーがアクティブコールしていないフォルトをスルーしてプレーを続行することができる。しかし、以下4.6.10~4.6.13をスルーしてプレーの続行はできない 。プレーヤーまたはオブザーバーによってコールがなされない限り、プレーは続行されるものとする。レシーブチームは、フォルトをスルーしてプレー続行を選択しても、何も言う必要はない。

【4.6. サービスフォルト】

4.6.1. ボールがリリースポイントから10cm離れる前に打たれた場合。

4.6.2. サービスポジションをセットした後、サーバーがサーブのすべての動作中(スイング、フォロースルー、および動作の勢いを含む)、にサービスラインの内側に接触してしまった場合。これには、サービスライン上またはサービスライン内にいるプレーヤーに接触することも含まれる。

4.6.2.1. サービスライン上またはサービスライン内で接触する前にボールがデッドと宣言されてもフォルトとなる。

4.6.2.2. サーバーは動作の勢いが止まり、身体的コントロールを回復した後に限りサービスライン内に接触することができる。

4.6.3. ボールが捕らえられた場合。(5.3.2を参照)

4.6.4. ボールがネットに当たるまで、サーバーがピボットの足で一点接触を維持していなかった場合。

4.6.5. サーバーがステップを踏んだ後、ボールがネットに当たるまで踏み出した足で1点接触を維持していなかった場合。

4.6.6. ボールがリムまたはレッグに直接当たった場合。

4.6.7. サイドポケットに入った場合。

4.6.7.1. サイドポケット - ネットのサイド部分に当たった後、ボールの水平軌道が入ったポケットとは反対側へ変化すること。

4.6.7.1.1. ネットの左側3分の1の範囲内に当たったボールが右に動く、またはネットの右側3分の1の範囲内に当たって左に動くボールはポケットとみなされる。












4.6.7.1.2. ネットの左側および右側は、ボールの水平入射に平行な中心線に対して決定される
















4.6.7.1.3. サイドポケットエリア内にあたっても、反対側へ変化していないボールは有効となる。










4.6.8. ネットの後方3分の1の範囲内に当たった後、ボールが前方へ飛ばない場合。ボールのすべての部分が、ボールの入射角に対してセットの最遠点よりも遠い地点に着地しなければならない。

4.6.8.1. ネットの後方3分の1より跳ねて横に動いたボールは、リムに接触しない限り有効である。

4.6.9. ボールがネットに接触したときから、レシーバーを通過するまでの間に、ボールのあらゆる部分がレシーバーの肩の最も高い位置を超えている場合。もし、レシーブの動作中にレシーバーが肩を下げた場合、肩の高さはその前のアスレチックスタンスから判断される。逆に、レシーバーが肩を上げた場合、肩の高さは新しい姿勢から判断される。

4.6.10. ボールがネットを完全にはずした場合。

4.6.11. ボールがセット(リム、レッグ、ネット)に複数回当たった場合。

4.6.12. ボールがサーブされた後、最初の接触がサーブ側のプレーヤーであった場合。(すなわち、サーバーがペアにサーブを当てること。)

4.6.13. ボールを落として打たなかった場合。ボールを落としてしまうと、ドロップやキャッチ、また振りかぶったり、トスを外したりすることは、すべてフォルトとしてカウントされる。

4.6.14. 遅延行為があった場合。(3.10を参照)

第5章:ボールのプレー

【5.1. インプレー - サーバーがボールを打った瞬間から、次のいずれかが起こるまでインプレーである。】

5.1.1. サーブの失敗および/またはレシーブチームもしくはオブザーバーによってコールされる。

5.1.2. 反則の発生および/または、いずれかのチームもしくはオブザーバーによってコールされる。

【5.2. ボールのヒット】

5.2.1. ヒットとは、プレーヤーがボールと接触することである 。

5.2.2. チームは、ボールをネットへ戻すために、プレーヤー間で交互に最大3回までヒットが可能である。もしそれ以上ヒットしてしまった場合、“4ヒット”の反則となり失点となる。

5.2.3. 連続ヒット - プレーヤーは、2回連続してボールをヒットしてはならない。(例外は規則5.3.5と5.3.6を参照)

5.2.4. 同時ヒット - チームメイトが同時にボールに触れた場合、それは2回のヒットとみなされる。3回のヒットが完了していない場合には、次のヒットはどちらのプレーヤーが打ってもよい。

【5.3. ヒットの特徴】

5.3.1. ボールは身体のどの部分に触れてもよい 。

5.3.2. ボールを捕球してはならない。

5.3.2.1. ボールが身体のどの部分であっても静止(停止)した場合には捕球とみなす。

5.3.3. プレーヤーは両手でボールを打ってはならない。(例外は規則5.3.4と5 .3.5を参照)

5.3.4. ポゼッション権のあるチームの最初のヒットにおいて、その接触が同時に起きる限りボールは身体のあらゆる部分に触れてもよい 。

5.3.5. ポゼッション権のあるチームの最初のヒットにおいて、その接触が1回の動作中に行われる場合に限りボールは身体のあらゆる部位に連続して触れてもよい 。プレーヤーは、キャッチおよび/またはスローにならない限り、同じ手(すなわち、手の平から指まで)に連続して接触することができる。これらの連続した接触は1回のヒットとしてカウントされる。

5.3.6. ポゼッション権のあるチームの最初のヒットにおいて、ボールが下降軌道に入る前に最初のヒットを行った場合、プレーヤーはさらにもう1回連続してボールをヒットすることができる。この行為は2回目のヒットとみなされる。

5.3.6.1. 5.3.6に記述された連続接触は、サーブレシーブにおいては適用されない

5.3.6.2. 5.3.6に記述された連続接触は、2回目のヒットでネットに返すことはできない。

【5.4. ボールを扱う際の反則】

5.4.1. フォーヒット - チームがボールをネットに戻す前に3回以上ヒットすること。

5.4.2. ノンリバウンド - ボールをキャッチするか持つこと。

5.4.3. 両手ヒット - プレーヤーが両手で同時にボールを打つこと。(例外は規則 5.3.4 を参照)

5.4.4. ダブルコンタクト - プレーヤーが2回続けてボールを打つこと、またはボールが連続して身体のあらゆる部分に接触すること。(例外は規則5.3.5を参照)

【5.5. ネットへのヒット】

5.5.1. ネット上での不正なヒット - ボールがネットに返されるとき、次のような場合にはヒットしたチーム側の失点となる。

5.5.1.1. ボールが地面に接触した場合。

5.5.1.2. ボールのセットへの最初の接触が、リム、レッグ、またはネットの下側に直接当たった場合。

5.5.1.3. ボールがネット上で複数回バウンドするか、ネット上でバウンドした後、下降する途中でセットに当たった場合。

5.5.1.4. ボールがネット上から出なかった場合。

5.5.2. ポケット - ラリー中、リムに接触することなくボールがリムに近いために軌道が変化するショット(すなわちポケット)は有効である。サーブのポケットについては規則4.6.7を参照。

5.5.3. ロールアップ - ボールが完全にネットに当たり、その後リムに向かって

転がってネットから出るショット(すなわちロールアップ)は有効である。

5.5.4. ポゼッション権の変更

5.5.4.1. ボールがネットからバウンドした時点でポゼッション権が変わる。両チームともボールがネットに接触している間は、ボールに接触してはならない。

5.5.5. その他の反則ヒットは、すべて失点となる。

5.5.5.1. ディフェンス側のプレーヤーがボールを不適切なタイミングでプレーしようとした場合。

5.5.5.2. オフェンス側のプレーヤーがネットからショットを打ち、それが後に自分または味方に当たった場合。

5.5.5.3. ボールがネットに接触している間にプレーヤーがボールに触れた場合。

【5.6. ノーヒットゾーン】

5.6.1. ネットの中心から90cmの区域をノーヒットゾーンとする。ポゼッション権のあるチームの最終ヒットは、この区域の外で行わなければならない。

5.6.2. ヒットするプレーヤーがヒットの動作中にノーヒットゾーン内またはノーヒットゾーンに接触した場合、ヒット側チームの失点となる。これには、ノーヒットゾーン内またはノーヒットゾーン上にいるプレーヤーに接触することも含まれる。(例:ヒットするプレーヤーは身体のコントロールを回復するためにノーヒットゾーン内にいる他のプレーヤーを使ってはならない)。

5.6.2.1. ヒットという行為には、スイング、フォロースルー、およびその動作による勢いが含まれる。

5.6.2.2. プレーヤーの勢いが他のプレーヤーを含むノーヒットゾーン内のものに接触した場合、失点となる。

5.6.2.3. プレーヤーがノーヒットゾーン内に接触する前にボールがデッドと宣言されても失点となる。

5.6.2.4. ヒッターはヒット動作の勢いが止まり身体のコントロールが回復したことを証明した後にのみノーヒットゾーン内に接触することができる。

5.6.2.5. 装備品等が不注意でプレーヤーの身体から落ち、ノーヒットゾーン内に落ちたとしても、反則にはならない。(例:帽子が落ち、ノーヒットゾーン内に入る)

5.6.3. いかなる理由であれ、プレーヤーがノーヒットゾーンに入った場合、両足が完全にノーヒットゾーン外の地面に接触するまで最終ヒットは行えない。

5.6.4. プレーヤーは、そのプレーヤーがポゼッション権の最終ヒットをする時を除き、いつでもノーヒットゾーン内に入ることができる。

【5.7. セットとの接触 - ラリー中のプレーヤーによるセット(リム、レッグ、またはネット)との接触は、「セット接触」の反則となり、反則したプレーヤー側チームの失点となる。これには、プレーヤーから落ちた装備品等による接触も含まれる。】

5.7.1. 道具の自然な動きによってセットがプレーヤーに当たった場合は、セット接触反則とはみなされず、そのポイントは続行されるべきものである。

第6章:ヒンダー

【6.1. ポゼッション権が回ってきたプレーヤーは、相手チームによる妨害を受けない権利がある。】

6.1.1. 正当にプレーヤーがボールに接触することができる順番は、誰が優先権を持つかを決定する。他のプレーヤーよりも先にボールに正当に接触することができたプレーヤーが、優先権を持つ。

【6.2. 妨害を避けるために ボールに関わっていないプレーヤーは次のことを提供するために努めなければならない。

6.2.1. 妥当なフォロースルーの完了後、ボールへの妨げのない直接干渉。

6.2.2. 妥当なスイングで自由にボールを打つこと。

6.2.2.1. プレーヤーの安全を確保するために、ヒッターの腕がネットに届く範囲にいるとき、リムから垂直方向に上がる円筒を仮想して、その範囲内へのいかなるディフェンス(足、手、膝等)も、打撃側の得点となる。相手チーム

は、ヒッターのフォロースルーが完了した後、その範囲内に入ることができる。

6.2.2.2. プレーヤーの過剰なスイングは、相手チームのプレーの順番が回ってきたときに、相手チームへの妨害とみなされる。

【6.3. ヒンダーは相手が6.2.1または6.2.2の要件のいずれかを満たさないとき及び満たすために努めたとしても起きることがある。】

【6.4. ヒンダーを受けた可能性があるプレーヤーは、プレーを続けるか、プレーを止めるかを選択することができる。】

6.4.1. リプレイやポイントを求めるプレーヤーは直ちにプレーを止め、"ヒンダー "とコールする必要がある。

【6.5. 次のような場合は、リプレイまたはポイントは認められない】

6.5.1. 妨害がなかったか、もしくはわずかな妨害の為、プレーヤーのボールへの接近とプレーすることに支障が出なかった場合

6.5.2. 妨害は起こったが、プレーヤーが良いタッチをしなかったか、または

プレーヤーがプレーをするためにあらゆる努力をしなかった場合。

6.5.2.1. プレーヤーがボールを得るためにあらゆる努力をすること(危険な物理的接触は除く)は、そのプレーヤーが良いタッチが出来たかどうかを決定する重要な要素である。どのような疑わしい状況においても、プレーヤーの安全が優先されるべきである

6.5.3. プレーヤーが干渉の地点を越えて移動しプレーを続けた場合。

6.5.4. プレーヤーがボールに向かって動くときに干渉を作り出した場合。

6.5.4.1. これは相手がボールへの明らかな直接的ルートを提供しているにも関わらず、プレーヤーが間接的なルートを取った際に起こる。尚、プレーヤーが次のような状況の場合とは異なる。不利な位置から挽回しようとしているプレーヤーがボールへの直接的なアクセスができない場合。この状況は、プレーヤーが相手のヒットの方向を予想し、その方向に動き始めるが予想が外れたために方向を変えて相手のルートを塞いでしまうケース。もしそのプレーヤーが良いタッチをしたであろうことを十分に示せば、6.6~6.7がその結果を決定する。

【6.6. 妨害された側は、相手が避けるためにあらゆる努力をしなかった妨害があり、そのプレーヤーが有効なタッチをしていたならば、得点となる】

【6.7. 妨害された側は、相手が避けるためにあらゆる努力をした妨害があり、そのプレーヤーが有効なタッチをしていたならば、プレーのやり直しができる】

6.7.1. いかなる誤りもリセットされる。

第7章:参加者の行動

【7.1. スポーツマンシップに則った行動】

7.1.1. 参加者は、IRF公式ルールを把握し、それを遵守しなければならない。

7.1.2. 参加者は、誠実にプレーしなければならない。フェアプレーの責任は、まず第一にプレーヤーにある。参加者は、何らかの反則を犯したことを知った場合、それを報告する義務がある。

7.1.3. 参加者は、オブザーバーの決定に異議を唱えることなく、スポーツマンシップに則って受け入れなければならない。疑問や混乱がある場合は、説明を求めてもよい。

7.1.4. 参加者は、オブザーバーの決定に影響を与えるような行動や態度をとってはならない。

7.1.5. 参加者は、進行に関する規則を遵守しなければならない。(3.10 ~ 3.11のディレイ・オブ・ゲームを参照)

【7.2. フェアプレー - 参加者は、フェアプレーの精神に則り、オブザーバーに対してだけでなく、対戦相手やパートナー、観客、大会関係者に対しても敬意と礼儀を持って行動しなければならない。】

【7.3. 不正行為 - オブザーバー、対戦相手、パートナー、観客、大会関係者に対するプレーヤーの不適切な行為は不正行為とみなされ、違反の深刻さによって3つに分類される。】

7.3.1. 無礼な行為 - マナーや道徳観に反する行為。

7.3.2. 攻撃的な行為 - 中傷的または侮辱的な言葉や身振り、あるいは軽蔑を表す行為。

7.3.3. 攻撃行動 - 実際の物理的な攻撃、または攻撃的もしくは脅迫的な行為。

【7.4. 不正行為に対する制裁の尺度】

7.4.1. 警告 - 試合における最初の無礼な行為に対して、オブザーバーもしくは大会ディレクターは警告を与える。

7.4.2. ペナルティ - 同じマッチにおける同じプレーヤーによる2回目の無礼な行為に対しては、オブザーバーまたは大会ディレクターによって1点の罰点が与えられる。同じプレーヤーによる最初の攻撃的な行為についても1点の罰点が与えられる。

7.4.3. 失格 - 同じマッチにおける同じプレーヤーによる3回目の無礼な行為に対しては、オブザーバーまたは大会ディレクターによって失格処分とされる。同じプレーヤーによる2回目の攻撃的な行為、また、最初の攻撃行動があった場合にも失格処分となる。

【7.5. 試合前および試合中の不正行為 - 試合前、試合間、試合後に発生した不正行為は、規則7.4に従って制裁され、次の試合にも適用される。大会ディレクターによって監視されていない場合、この不正行為は大会ディレクターに報告されなければならない。一度ペナルティを受けると、その大会の以降の試合では警告を受ける事ができなくなり、同じペナルティ状況が適用される。】

第 8 章:コールの発生と不一致の解決

【8.1. サービスフォルトのコール - 4.5.2.1を参照】

【8.2. ヒット及びプレーの反則 - ヒットの反則(リムへのダイレクトヒットなど)またはプレーの反則(セットへの接触など)は発生後直ちに「バイオレーション」とコールしプレーを停止させなければならない。】

【8.3. ヒンダーのコール - ヒンダーは、発生後直ちに「ヒンダー」または「バイオレーション」とコールし、プレーを停止させなければならない。】

【8.4. 不一致 - ヒット、サーブ、コールの合法性を判断できない場合(オブザーバーがいない状況で)、プレーヤーはポイントのやり直しをしなければならない。チームメイトが互いに同意していなくても、不一致とすることができる。仮に3人のプレーヤーが1つのことを考え、4人目のプレーヤーがもし3人のプレーヤーが同じことを考え、4人目のプレーヤーが議論の末にまだ同意しない場合、これはポイントのやり直しとなる】

第9章::オブザーバーとその責任

オブザーバーの仕事は、議論の解決、ルール遵守の確認、スポーツマンシップの促進等によって、ラウンドネットの試合を円滑に進めることである。オブザーバーは多くのアクティブコールをする責任があるが、フェアプレーとスポーツマンシップの責任はプレーヤーにある。

【9.1. アクティブコール - オブザーバーは、以下のような反則行為を見た場合、プレーを停止させ適切な処置をとる義務がある。】

9.1.1. フットフォールト (4.6.4 ~ 4.6.5を参照)

9.1.2. サービスライン反則 (4.6.2を参照)

9.1.3. 不正なサービストス

9.1.4. ノーヒットゾーン反則

9.1.5. 不正なネットコンタクト

9.1.6. 不正なボール接触

9.1.7. 適切ではないローテーション、サーブ順、またはポジショニング反則(3.8.9 と 4.5.1を参照)

9.1.8. 間違ったスコア

9.1.9. タイミング反則(ゲームとポイント間の時間、タイムアウト)

9.1.10. プレーヤーの不正行為

9.1.11. プレーヤーは、オブザーバーが見逃したと思われるアクティブコールを行うことが許される。もしオブザーバーが同意しない場合は、失点となる。この規定は、スポーツマンシップに則ったゲームを促進するために設けられたものである。プレーヤーは、自分自身に対してもアクティブコールをすることができる。

【9.2. パッシブコール - パッシブコールとは、プレーヤーによって行われるコールのことである。プレーヤー同士がコールについて合意に至らない場合、オブザーバーに判定を仰ぐことができる。一度オブザーバーに判定権が委ねられると、オブザーバーの判定が最終決定となる。オブザーバーが決定的な判定を下すことができない場合、そのポイントはやり直しとなる。】(注:すべてのノンアクティブコールについて、プレーヤーは基本的にオブザーバーに判定を仰ぐ前にプレーヤー同士で解決するよう努めなければならない。)オブザーバーは、プレーヤーがオブザーバーの判定を求めるまで、パッシブコールに意見を加えてはならない。)

【9.3. ノンコール – 反則の可能性があった後、チームがプレーを続ける場合、そのチームはオブザーバーに判定を求めることはできない。】

【9.4. オブザーバー1名 - オブザーバーを1名付ける場合、オブザーバーは、フットフォールトやサービスライン反則を監視できるようサーバー側に立つ。】

【9.5. オブザーバー2名 - オブザーバーを2名付ける場合、互いに反対側に立つ。サーバー側に立つオブザーバーは、主にフットフォールトやサービストス反則の監視に専念する。

レシーバーの側に立つオブザーバーは、主にポケットやサーブ高さ反則の監視に専念する。】

【9.6. オブザーバー3名 - オブザーバーを3名付ける場合、1人はサーバー側の横に並ぶ位置に立つ。このオブザーバーの主な役目は、フットフォールトの監視である。2人目は、レシーバーの後ろに並ぶ位置に立つ。このオブザーバーの主な役目は、ポケットとサーブ高さ反則の監視ある。3人目は、サービストス反則を監視する為にサーバー側の横に並ぶ反対の位置に立つ。】

【9.7. オブザーバー4名 - オブザーバーを4名付ける場合、1~3名の立ち位置、監視内容は同じで4人目は、レシーバー側の横に並ぶ位置に立つ。】

【9.8. ヘッドオブザーバー - 複数のオブザーバーを付ける場合、試合開始前に、オブザーバーの1人をヘッドオブザーバーとして選出する。ヘッドオブザーバーは最も経験のある人物が望ましい。ヘッドオブザーバーは、コールの最終決定を助長し、プレーヤーの不正行為に対する制裁を決定する責任を負う。

【9.9. コールの実施】

9.9.1. コールは多数決で決定されるものではない。最も良い視点を持つオブザーバーがコールする。決定を求められたら、オブザーバーは集まり、誰が最も良い視点を持っていたかを判断する。最も良い視点を持っていたと判断されたオブザーバーがコールを行う。

9.9.2. プレーヤーが同意しない場合、オブザーバーは判定を下すための準備をしなければならない。彼らは集まることなく、ハンドシグナルで迅速に意思疎通を図ることができる。しかし、オブザーバーはプレーヤーがオブザーバーの判定を仰ぐまで、意思疎通を図ってはならない。例えば、サーブの正当性に疑問がある場合、レシーバーの後ろにいるオブザーバー(最も良い視点を持つ人)は、ハンドシグナルを使って、他のオブザーバーに確認する必要がある。他のオブザーバーが同意する場合は、集まることなく判定を下すことができる。もし他のオブザーバーが同意しない場合は、集まって話し合う必要がある。

9.9.3. 誰が最も良い視点を持っているか分からなくても、オブザーバー同士がハンドシグナルにて合意できる場合は集まることなくコールを決定することが出来る。

オブザーバー全員が合意した場合、ヘッドオブザーバーは、プレーヤーが判定を求めたら、コールを行う必要がある。

9.9.4. ハンドシグナルでの意思疎通後、オブザーバー同士の意見が一致しない場合

オブザーバーは集まり、誰が最も良い視点を持っていたか判断し、何が起こったかを議論する必要がある。最も良い視点を持っていた者が判定を下す。

9.9.5. 良い視点を持つオブザーバー間で意見が一致しない場合、ヘッドオブザーバーが判定の最終決定をする。

9.9.6. 過半数以上のオブザーバーが合意しても、ヘッドオブザーバーが同意せず、全員が同じような良い視点を持っていた場合は、最終的にヘッドオブザーバーの判定とする。

9.9.7. もし、オブザーバーの誰も問題のプレーについて良い視点を持っていなかった場合、オブザーバーそのポイントのやり直しを要求することができる。

(注:コールを迅速に行うため、プレーヤーがプレーの結果や合法性について議論するために一時停止した場合、オブザーバーはコミュニケーションを取り、プレーヤーが判定を求めたらコールできるようにしておくべきである。)

【9.10. オブザーバーは、プレーヤーと観客の両方に対してコールを示すためにハンドシグナルを使用することができる。】

下記のハンドシグナルを参照。










【9.11. 判定の例】

9.11.1. ポイントの途中で、敵同士の2人のプレーヤーがぶつかった。衝突の後、Aチームはボールをネットに戻すことができなかった。AチームはBチームにヒンダーをコールした。Bチームはヒンダーが発生したとは考えていない。B チームはオブザーバーの判定を仰いだ。オブザーバーがヒンダーと判定した場合、そのポイントはやり直しとなる。オブザーバーがヒンダーと判定しなかった場合、Bチームにポイントが与えられる。

9.11.2. ファーストサーブがAチームのプレーヤーの手を通過した。Aチームは高すぎると判定した。Bチームは、サーブが高すぎたとは思っていない。Bチームはオブザーバーの判定を仰いだ。オブザーバーがサーブを高すぎると判定した場合、Bチームのフォルトは 1 つとなり、2度目のサービスが与えられる。オブザーバーがサーブを合法と判定した場合、Bチームにポイントが与えられる。

9.11.3. AチームはBチームがヒットでリムに当たったかもしれないと考えていた。彼らはプレーを続け、Aチームは結局失点となった。Aチームは、リムに当たった可能性があるため、ポイントをやり直すよう要求した。Bチームはリムに当たったという事実に異議を唱えた。Aチームはオブザーバーの判定を仰いだ。オブザーバーは、反則がプレー中に発生したため、判定できなかった。Bチームにポイントが与えられる。